BAC若返り理論とは、老化した細胞を若い状態に戻すための条件を、B(生体機能のバランス)・A(生命機能の活性化)・C(生体の浄化)の3つに整理した枠組みです。横浜市立大学 名誉教授で不老長寿研究会 代表理事の鮎澤 大が、約40年にわたる細胞の老化と若返りの研究から導きました。3つの条件を同時に満たすことで、老化の予防(アンチエイジング)だけでなく、老化細胞の若返り(リバースエイジング)を達成できます。

英語表記:BAC Rejuvenation Theory

老化は、戻せる

「一度老化した細胞は、二度と分裂できない」。長いあいだ、これが生物学の常識でした。

横浜市立大学の研究グループは、培養細胞を使った実験でこの常識が覆ることを示しました。老化した細胞は「死んだ細胞」ではなく、ダメージから生き延びるために分裂を止めている状態であり、条件を整えれば再び分裂を始めます。つまり、細胞のレベルで不老長寿は可能です。

出典:Takauji ほか, Scientific Reports, 2016/横浜市立大学 プレスリリース(2016年1月21日)

なぜ「理論」が必要だったのか

健康な大人の老化を決めるのは、遺伝よりも環境です。遺伝の影響はおよそ2割で、残りのおよそ8割は生活習慣と環境で決まることが、一卵性双生児の研究などから分かっています。

長寿者と長寿動物の生き方を調べたら、少食・粗食や節制によって「代謝を落とす」生活をしていました。しかし、こうした極端な生活を一生続けられる人はほとんどいません。

では、快適な暮らしをしながら、長生きをするにはどうすればよいでしょうか。BAC若返り理論は、この「我慢」をしなくても、組織と細胞を若々しく保つために作り出した理論です。それは、B・A・C という3つの要素から成り立っています。

3つの柱

3つは順番ではなく、同時に満たす必要があります。

B 生体機能のバランス(Balance)

生体機能のバランスは、生体分子のバランスを導きます。例えば、タンパク質・DNA・RNAといった高分子のバランスを整えます。細胞にダメージがかかると、DNAの複製が遅れ、タンパク質の合成だけが続き、細胞の中にタンパク質が蓄積します。細胞は大きくなって分裂を止めます。これが細胞老化の引き金です(不均衡増殖)。この生体高分子のバランスを維持すると、細胞老化が起こらず、老化した細胞が若返ります。

A 生命機能の活性化(Activation)

老化した体の中では、様々な機能が衰えています。細胞の増殖を刺激すると、衰えた組織や器官の再生が促進されます。皮膚組織を使った実験では、細胞の入れ替わり(ターンオーバー)の回復や、コラーゲンをつくる遺伝子の働きが促進することが確かめられています。

C 生体の浄化(Cleansing)

東洋医学では、老化や成人病は体の中に溜まる老廃物や有害物質が原因だとされています。体内の有害物質とは、変性したタンパク質、タンパク質の分解産物、酸化脂質、糖化産物、食物由来の有害物質などです。これらを排出し、細胞の環境をきれいに保つことが、老化防止と若返りに有効です。

3つがそろって、はじめて若返りに届く

この三位一体理論が、アンチエイジングを超えたリバースエイジングに届きます。

これまでの健康法と、どこが違うのか

質問事項これまでの健康法BAC若返り理論
我慢が必要か少食・粗食・節制を続ける普通の生活と両立する
どういう仕組みか部分的で、単純な化合物を使う全身を対象とし、ハーブ製剤を使う
何を目指すか細胞組織の活性化細胞組織の老化防止と若返り

この理論の位置づけ

BAC若返り理論は、代表理事の鮎澤 大が約40年にわたる細胞の老化と若返りの研究から導いた結論を整理し、3つの柱で表した理論です。それぞれの土台になる研究は、査読のある学術誌に発表されています。

  • Sumikawa E, et al. Biochem Biophys Res Commun. 2005;335(2):558–565. doi:10.1016/j.bbrc.2005.07.106.
  • Takauji Y, et al. Sci Rep. 2016;6:18722. doi:10.1038/srep18722.
  • Takauji Y, et al. FEBS J. 2026. (Accepted for publication).

鮎澤 大(あゆさわ だい)

一般社団法人 不老長寿研究会 代表理事/横浜市立大学生命ナノシステム科学研究科 名誉教授/ダッカ国立ユーナニ&アーユルヴェーダ医科大学 客員教授。1948年長野県生まれ。埼玉県立がんセンター研究所 主任研究員、東京大学分子細胞生物学研究所 助教授(国立遺伝学研究所兼任)を経て、1995年 横浜市立大学 木原生物研究所 教授。

研究の拠点:横浜市立大学 長寿科学研究室

よくある質問

老化した細胞は、本当に若返るのですか?

培養細胞を使った研究では、老化した細胞が再び分裂を始めることが確かめられています(Takauji ほか, 2016)。体の中の細胞で同じことを実現するための考え方を整理したのが、BAC若返り理論です。

アンチエイジングとリバースエイジングは、何が違うのですか?

アンチエイジングは老化の進み方を遅らせること、リバースエイジングは老化した状態を若い状態に戻すことです。BAC若返り理論が目指すのは後者です。

食事を我慢したり、断食したりする必要がありますか?

BAC若返り理論は、節制を続けることを前提にしていません。普通の生活と両立できることを出発点にしています。

「BAC」は何の略ですか?

Balance(生体機能のバランス)、Activation(生命機能の活性化)、Cleansing(生体の浄化)の頭文字です。

誰が提唱した理論ですか?

不老長寿研究会 代表理事で横浜市立大学 名誉教授の鮎澤 大です。約40年にわたる細胞の老化と若返りの研究をもとに整理しました。

※ 本ページは、不老長寿研究会の研究者による研究と、その考え方の紹介です。細胞・モデル生物レベルの研究を含みます。特定の製品や治療の効果を示すものではありません。